ブドウ糖は自然界に最も多く存在する糖で、ぶどうなどの果実や蜂蜜に多く含まれる単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)の1つです。
また、ブドウ糖は私たちが食べたご飯やパン(炭水化物)からも作られます。食事として摂取した炭水化物は、体内の消化酵素によって細かく分解・消化されて最終的にブドウ糖となり、腸で吸収され血液中に入ります。
そして脳や身体を動かす大切なエネルギー源として利用されます。血液中のブドウ糖量を血糖値と呼びます。また血糖値を調整するホルモンをインスリンと呼びます。
インスリンは膵臓から分泌され、ブドウ糖を筋肉や肝臓に取り込ませたり、脂肪細胞に蓄えたりするなどの重要な役割があり、ブドウ糖と同じく、人間の身体に欠かすことのできない物質です。
健康な人の場合は、インスリンが常に少量ずつ分泌され続けており、血糖値の値は一定の範囲に保たれます。正常人では空腹時で80~110mg/dl、食後2時間でも140mg/dl以下です。
食事をすると食べ物は食道、胃、十二指腸、小腸の順で通過し、その間に炭水化物は消化され、ブドウ糖として毛細血管に吸収されます。
吸収がはじまった瞬間に膵臓はインスリンを分泌し、血液から肝臓や筋肉、脂肪細胞の中にブドウ糖をとりこませるため、血液中のブドウ糖濃度は食後2時間で140mg/dl、次の食事の前には110mg/dl未満に下がります。
また、食物が胃腸に入ったという刺激で、消化管ホルモンが分泌されることによってもインスリンは分泌され、血糖値の上昇を抑えます。
一方、夜、何も食べない間に血糖値が下がりすぎるのではないかと心配されますが、血糖値が下がってくると膵臓はインスリンの分泌量を減らし、肝臓に蓄えてあったブドウ糖を血液中に放出させて、低血糖にならないように上手く調整しています。
ブドウ糖の摂取と消費のバランスが取れていれば、インスリンを効率的に使って血糖値を正常に保てますが、食べ過ぎや運動不足があると、食後の追加インスリン分泌が不足します。
もともと日本人は欧米人に比べてインスリン分泌能は低いのです。欧米並みの高カロリー食をとると、消化管から吸収されるブドウ糖量が一気に増え、インスリン分泌量が追いつきません。
その結果、食後の高血糖状態が長く続きます。すると膵臓はインスリンを作り続けて、結局は過剰にインスリン分泌をしてしまいます。
過剰なインスリンはブドウ糖をせっせと脂肪細胞に移し、脂肪細胞を成長させます。脂肪細胞は飢餓にそなえてエネルギーを蓄積するため有用ですが、そのほかに多彩なホルモンを分泌します。
困ったことにそのホルモンにはインスリンの効きを妨害する働きがあり、せっかくインスリンが分泌されていても効果がない状態をきたします。
糖尿病は増加の一途をたどっています。「2007年度国民健康・栄養調査」の結果では、糖尿病が強く疑われる人は約890万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1,320万人で、合計約2,210万人にのぼります。
「2002糖尿病実態調査」では合計約1,620万人だったので、たった5年間で約590万人も増加していることになります。糖尿病には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ランゲルハンス島β細胞が破壊されて、急速にインスリンの分泌不足が進行する「1型糖尿病」で、多くの場合半年~1年でインスリン分泌はゼロに近づきます。
従って治療には生命維持のためインスリン療法が欠かせません。発症原因はほとんどが自己免疫の異常によるもので、肥満は無関係です。小児~思春期に多く発症しますが、中高年にも発症します。
ブドウ糖は自然界に最も多く存在する糖で、ぶどうなどの果実や蜂蜜に多く含まれる単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)の1つです。
また、ブドウ糖は私たちが食べたご飯やパン(炭水化物)からも作られます。食事として摂取した炭水化物は、体内の消化酵素によって細かく分解・消化されて最終的にブドウ糖となり、腸で吸収され血液中に入ります。
そして脳や身体を動かす大切なエネルギー源として利用されます。血液中のブドウ糖量を血糖値と呼びます。また血糖値を調整するホルモンをインスリンと呼びます。